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続々々々真珠夫人(最終回)

はい、とうとう真珠夫人レポートの最終回です。っていうか、成り行きまかせで始めたものの「なんで真珠夫人のあらすじなんか書いてるんだ、オレ」と不思議でなりません。

前回は富士屋ホテルに謎の人物が現れたところで終わりましたね。それが誰かを明かさないまま、菊池先生は次の場面に話を進めちゃいました。

公園に行く三人。

「青木さん!この間のお話ね。」
「えっ!えっ!」彼はかなり狼狽したように焦っていた。


菊池先生はビックリマークが大好きです。

「ねえ!青木さん、それでは、よく心を落ち着けて聴いて下さいませ! 妾、あの、大変お気の毒ではございますけれども、よくよく考えてみましたところ、貴君のお申し出に応ずることが出来ないのでございます。」
 瑠璃子の言葉に、闘牛が、止めの一撃を受けたように、青年の細長い身体が、タジタジと後へよろめいた。
 彼は、両手で頭を抱えた。身体を左右に悶えた。呟きとも呻(うめ)きとも付かないものが口から洩れた。

2分ほど弟くんは悶えていたらしいですが、いっぽう美奈子は晴れやかな気分に。

母が、自分の面前で、何のにべもないように、青年を斥けたのも、みんな自分に対する義理なのだ。自分に対する母の好意なのだ。自分に対する母の心づくしなのだ。

弟くんが走り去ってしまったので、二人きりになった瑠璃子と美奈子。なんだか、心と心が通い合っちゃってますよ。

「……お母様さえ、それほど妾を愛して下されば、世の中のすべての人を失っても妾は淋しくありませんわ。」
 そう云いながら、美奈子は母に対する本当の愛で燃えながら、母の傍にすり寄った。瑠璃子は、彼女の柔いふっくりとした撫肩を、白い手で抱きながら云った。
「本当にそう思って下さるの。美奈さん! 妾もそうなのよ。美奈さんさえ、妾を愛して下されば、世の中のすべての人を敵にしても、妾は寂しくないのです。」
 二人は浄い愛の火に焼かれながら、夏の夜の宵闇に、その白い頬と白い頬とを触れ合わせた。


えーと、愛で燃えましたか。さて、嫉妬と怒りに燃えている弟くんが、箱根駅伝ばりのイキオイでホテルに戻ると、そこに謎の紳士が。そう、その正体は青木(兄)の最期を看取って、ついでに瑠璃子にもてあそばれちゃった信一郎です。

「実は、お兄さんが遭難なされたとき、同乗していたという一人の旅客は私なのです」
「ええっ!」


はい、ここから信一郎は喋る喋る。弟くんの怒りに油をそそぐイキオイで、瑠璃子がいかにヒドイ女か、そして青木(兄)がいかに恨みを呑んで死んでいったかを話しまくります。

「兄を弄んだ上に、この俺を!」そう思うと、彼の全身の血は、怒りのためにぐんぐんと煮え返った。
「兄を弄んで間接に、殺しておきながら、まだ二月と経たない今、この俺を! 箱根まで誘い出して、謂れのない恥辱を与える!」
そう考えると、彼の頭のうちは、燃えた。身体中の筋肉が、異様に痙攣した。


なんか超人ハルクにでも変身しちゃいそうです。うががぁ。

強羅公園で、お互いの心からなる浄い愛に、溶け合った美奈子と瑠璃子とが、そこに一時間以上も費やして、宮の下へ帰って来たのは、夜の十時を廻った頃だった。

なんか、菊池先生、「浄い」を連発して、かえってエロ小説みたいになってますが。ま、それはともあれ、一緒の寝室に入る二人。しかし瑠璃子が寝付いた後も、美奈子は興奮してなかなか寝付けません。そうして、三時を過ぎたころ。

「ううむ! ううむ!」
「お母様!」


タイヘンです。瑠璃子は何ものかにわき腹を刺されたみたいです。あわてて医者を呼ぶ美奈子。しかし、瑠璃子は

「わーたーし、わたし今度は、もう――駄目かも知れないわ。」

とか弱気になっていますよ。瑠璃子は美奈子に、神戸に電報を打って欲しいと頼みます。

「神戸! 神戸って、どなたにです?」
「あの、杉野直也です。わたし、新聞で見たのです。月初めに、ボルネオから帰って、神戸の南洋貿易会社にいるはずです。死ぬ前に一度遭えればと思うのです」


そう、いましたね。杉野っていう色白の秀才くんが。しかし、ボルネオに行っていたとは。

青木(弟)が芦ノ湖に入水自殺をしたという報がもたらされたりしつつも、なかなか死なない瑠璃子。きっと、杉野直也を待っているんでしょう。

はい、来ました。

一個白面の貴公子であった彼は、今や赭(あかぐろ)い男性的な顔色と、隆々たる筋肉を持っていた。

どうやらボルネオでランボー化したようです。そんな杉野直也に、美奈子は瀕死の床から哀願します。

「あの――あの――美奈さんを、貴君にお頼みしたいのです。美奈さんは――美奈さんは――みなし――みなし――みなしご……」

死にました。

瑠璃子を失った美奈子の運命が、この先どうなって行くか、それは未来のことであるから、この小説の作者にも分からない。が、われわれは彼女の安心して、直也の手に委(まか)せておいてもいいだろうと思う。

えー、菊池先生、ヒントだけでも教えてくださいよ。
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