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続々々真珠夫人

瑠璃子夫人は、あの太陽に向って、豪然と咲き誇っている向日葵(ひまわり)に譬(たと)えたならば、それとは全く反対に、鉢の中の尺寸の地の上に、楚々として慎しやかに花を付けるあの可憐な雛罌粟(ひなげし)の花のような女性が、夫人の手近にいることを、人びとは忘れはしまい。それは云うまでもなく、かの美奈子である。

えーと、菊池寛先生の美文調はともあれ、すっかり忘れてましたよ、美奈子のこと。えーと、美奈子っていうのは、勝平の娘で、瑠璃子の元カレ直也に、ピストルで撃たれてた女の子のことですからね。ま、それはともあれ、菊池先生いわく

その丸顔の色白の面(おもて)は、処女そのものの象徴のような、浄さと無邪気(あどけなさ)とをもって輝いていた。

美奈子も、もう19歳。花も恥らうお年頃です。ただれた生活を送っている瑠璃子も、美奈子にだけは優しいらしく、

彼女を追う男性が、蝿のように蒐まって来る客間(サロン)には、決して美奈子を近づけなかった

そうです。と、そんな美奈子は父母のお墓参りをしているときに、ステキな男性を発見。恋をしてしまいました。しかし、なんてことでしょう。その男性は、瑠璃子のサロンに出入りしている青年だったのです。ちなみに、その青年はなんと死んだ青木の弟という展開。そう、意地になった信一郎と瑠璃子が勝負のネタにした弟くんですね。

美奈子の気持ちを知ってか知らずか、弟くんも連れて箱根に避暑に行こうと言い出す瑠璃子。もちろん瑠璃子には、別の思惑がありますが、ともあれ美奈子のハートはズキンドキンもいいとこです。

しかし、美奈子にとって箱根「富士屋ホテル」での生活は苦しいものでした。なにしろ初恋の相手が、これまた実の姉のように慕っている義母に夢中なんですから。なんていうか板ばさみ状態。

とはいえ、好きな人の、ほんの小さなひと言にも過剰反応してしまうのが乙女というもの。美奈子も、弟くんに散歩に誘われ、「ええっ!」とビックリマーク付きで興奮しちゃってます。その上、ぎこちない会話の中で、やたらと美奈子の結婚について質問してくる弟くん。いやーん。これって、もしかして。

「結婚なんて申しましても、妾(わたし)のようなものと、妾のような、何の取りどころもないようなものと。」
彼女の声は、恥しさに顫(ふる)えていた。彼女の身体も恥しさに顫えていた。


しかし、弟くんの次の言葉を聞いてガーンです。

「こんなことを言っている者もあるのです。夫人が結婚しないのは、荘田家の令嬢に対して母としての責任を尽したいからなのだ。だから、令嬢が結婚すれば、夫人も当然再婚でられるだろう。こう言っている者もあるのです。」

なんだ、結局、目的は私じゃなくて、お義母さまなのね、とハートブレイクな美奈子。そんな美奈子をよそに、弟くんの瑠璃子への果敢なアタックは続きます。そして、瑠璃子のノラリクラリとした態度を突破して、とうとう明後日の晩までに、プロポーズの返事を聞かせてもらうというところまで話を持っていったのでした。ちなみに、ベンチの陰で偶然それを聞いてしまった美奈子は、さらにガガーンです。

そしてやってきた約束の日。迷惑そうな弟くんをよそに、執拗に美奈子を二人の散歩に誘う瑠璃子。もしかして、美奈子が同席のところでプロポーズの返事をする気かしらん、と弟くんは気が気じゃありません。もちろん美奈子だって、そんな席に自分が同席させられるのは真っ平御免ですよ。イヤだなあ。

そんな3人が、それぞれの思惑を秘めてホテルから出ようとすると、そこに一台の自動車が飛び込んできました。そして、そこから降り立った人を見たとき……

が、美奈子と一緒に歩いていた母は、自動車の中から、立ち現れた人を見ると、急に立ち竦んだように目を瞠(みは)った。いつもは、冷然と澄ましている母の態度に、明らかな狼狽が見えていた。夕暗の中ではあったが、美しい眼が、異様に光っているのが、美奈子にも気が付いた。美奈子も、駭(おどろ)いて相手を見た。母をこんなに駭かせる相手は、一体何だろうかと思いながら。

いよいよクライマックスが近づいてきた感じですね。さあ、現れた人はいったい。まあ、あの人だとは思うんですが。えーと、514ページです。






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