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貞操問答 第2回 レディ第一

はい、貞操問答の第2回です。今回の章名は「レディ第一」。はてさて、どんなお話でしょうか。

(辛抱とは、どういう意味の?……)

とビビっている新子。そう、前回はお友達の路子さんが、その義姉について新子を脅かしたところで終わったんでした。

「兄は、貴女もご存じのとおり、長く米国におりましたから、すっかりレディ・ファストなのよ。それもすこし極端なんですの。それに、義姉は、私の父には主人筋に当る子爵家のお姫さまでしょう。兄も、死んだ母も、三拝九拝して、来て頂いたんでしょう。だから、家じゃまるで、女王さまのような勢いよ。兄なんか、一生文句の云えない呪文にかけられているように、頭が上らないのよ。前に来ていた家庭教師の方は、義姉があまりに、家庭教育ということに、理解がないと云って憤慨して出てしまったのよ。だから、貴女は義姉のすることを出来るだけ気にしないことが、大切だと思うのよ。そういうことは聡明な貴女なら何でもなくやって下さると思うのよ。」

ははあ、タイトルの「レディ第一」って、そういう意味か。それにしても、まだ出ぬ義姉、どんなにタカビーな人なんでしょうね。オラ、ワクワクしてきたぞ。

しかし、まずは路子さんの兄、準之助さんが登場。

上品に刈りこんだ頭、背がすらりと高く、色白く眼が柔和で、四十歳以上と聞いていたのに、三十代に見える若々しさであった。

よっしゃ、これならOK。そのうえ、

「本当は九月から、お願いしてもいいのですが、貴女のご都合がおよろしければ、休み中軽井沢の方へ行きますので、あちらへ来て頂いても、よろしいのですが……」

と、すでに採用は決定している感じ。さらに小5の小太郎くん、小3の祥子ちゃんも、会ってみると素直そうな良い子たちです。これはアタリかもしんない。しかし、

「ねえ。お兄さま、お義姉さまにも、今ついでに会って頂いた方がいいでしょう?」

とお友達の路子さんが言い、祥子ちゃんをお使いに、お義姉さんを呼んでみたものの、来ません。20分経っても来ません。30分経っても来ません。業を煮やして、小太郎くんをお使いにやる準之助さん。

どどーん。はい、夫人登場です。ちなみに名前はまだない。慌てて挨拶する新子ですが、

その新子に、夫人はほほえみもせず、頭(ず)の高い挨拶をして、良人と並んだ椅子にだまったままで腰をおろした。

うわっ、イヤな奴だなあ。そんな夫人はこんな人。

いつか劇場で見た感じよりも、ずーっと若々しく、顔の色は浅黒く生々としているし、高貴に取りすましながらも、眼にも驚くほどの艶があり、気品と明快さと堂々たる奥さまぶりで、準之助氏と並べて見劣りせず、夫人がそこに腰かけたことで、この応接間の画面の感じは、その仕上げを受けて、最高の生彩を発揮したといってよかった。

浅黒いというのがほめ言葉なのかは別として、やっぱり形容詞としては「ずどーん」とか「どどーん」で良さそうな感じですね。

「この方が、南條新子さんだ。」と、準之助氏が紹介してくれたので、
「どうぞ何分よろしく。」と、新子が再び立ち上って挨拶すると、
「お初に。お名前はおききしていました。」と、さすがにかるい愛想笑いを見せた。
「どうぞ、勤めさして頂きたいと存じます。」と、新子がいうと、
「はあ。」何かふくみのあるような返事である。


ははあ、新子の苗字は南條さんだったんですね。と、それはともあれ、夫人のふくんだ返事はどういうことでしょう。採用決定じゃなかったんでしょうか。

「はあ。宅とも、よく相談しまして、二、三日内に、ハッキリしたお返事をいたします。」と、どこか打ちとけない返事であった。
 もう、すっかり定ったことと安心していた新子は、急に、夫人の手で三、四尺後へ、押しのけられたような気持であった。


バツが悪くて、とっとと帰ろうとする新子に、夫人は言います。

「まあ。およろしいじゃありませんか。食事の用意を申しつけてありますから、路子さんや子供と一しょに召し上って下さいませ。私も、ご一しょだといいんですけれど、ちょっとこれから、外出致しますから、あしからず。」

おい、日曜の夜に、家族を残してお出かけかい。ビックリしている新子の耳に音が響きます。

そのとき、食事を知らすらしい支那風の銅鑼が鳴りひびいた。

ぷぷぷ。なんだそれ。食事の合図が、中国のドラ。どんな紫禁城なんでしょうか、路子さんのおうち。

「じゃ、路子、南條さんを食堂へ案内してあげなさい。」と、準之助氏が面を吹いて寒からず楊柳の風といったような、おだやかな声でいった。

で、この章はおわり。なんか波乱の予感がしてきますね。ワクワク。
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