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やられた

東直己の「待っていた女・ 渇き」を読んだわけです。

ちなみに、大泉洋主演で映画化されたススキノ探偵シリーズではなく、畝原探偵シリーズの第1作目。

で、内容に関しては、この際、スパッと措いておくことにして、とある一節に衝撃を受けたので、ご紹介を。ちなみに状況としては、さえない探偵の畝原が、散々な一日を振り返り、こんなんじゃ溺愛する愛娘に嫌われちゃうようなあ、と思うシーン。


「待っていた女・乾き」東直己
ハルキ文庫 p54

だが、娘の冴香に誇ることができる仕事でなかったことは確かだ。冴香に話し、そして彼女が私をヒーローとしてうっとり尊敬する、そういう類の仕事ではない。だが、それがなんだろう。今の世の中で、自分の娘に誇ることができる仕事をしている男が何人いるか。自分の仕事をまるごと、すべて娘に話して、そして尊敬を勝ち得ることができる男が何人いるか。いや、そもそも、四十五にもなって、小学五年生の娘の尊敬を願うなど、ちょっと私はどうかしてしまったのではないか。大人は、子供にはわからない世界で、精一杯力を尽くすものだ。たとえ、それが理解されなくても、それは理解しない方が悪いのではなく、理解を求める方がどうかしているのだ。そんなことは、わかり切っているが……



やられた。いま自分は四十六で、娘は中学二年生。だから、この気持ちは痛いほどわかる。というか、涙で前が見えないよママン。

冗談ぬきで、「ああ、自分の人生、よくも悪くも先は見えたなあ」とか「いままで、どこかで一発逆転があるかも、なんて思ってきたけど、ソレハナイ」というのが理解できるお年頃です。四十も半ばを過ぎるというのは。

一方で、娘というのは、口ではいろいろ言っても、なんだかんだで「お父さんはスゴイ」「お父さんは世界で一番」と思っているものです。もちろん、それは単純にお父さんへの愛情だけではなく、「自分には高貴な血が流れている」「自分には特別な能力がある」という子供時代の全能感をともなう夢想の一環なのかもしれませんが。

当然、父親としても「この子を俺が守らなくて、誰が守るんだ」という意識で、そんな幼い子供のキラキラ視線を一身に受け、頑張ってくるわけです。でもね、まだ三十代も初めのころは、こっちにも希望はあるし、体力もある。だから、そんな視線を受けても、「よっしゃ、お父さんにまかせておきなさい」くらいの意識で、むしろ励みになるけど、だんだん、だんだん、人間ってしょぼくれてくるんです。すると、徐々にキラキラ視線が辛くなる。「おい、お父さんはキミが思うほどエラクもカッコよくもないんだよ」と言いたくなるのです。

憧れのひとに幻滅するのは悲しいことだけど、幻滅される方も、かなりキツイ。でも、そんなこと言っても始まらないし、それに生活は待ったなしの出来事だから、お父さんは働き続けるのです。黙々と。
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