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浮浪児根絶緊急対策要綱

国会図書館のサイトで、「浮浪児根絶緊急対策要綱」というのを発見しました。

昭和23年9月7日の閣議決定だそうですから、芦田内閣(昔の民主党)のころですね。
で、この内容があまりにアバンギャルドなので、ツッコミを入れたいと思います。

まずは序文

 終戦後満三年を経た今日街頭になお浮浪児がその跡をたゝないことは、まことに遺憾のことである。よつてこれらの児童を健全正常な生活に立戻らせ同時にこれらの児童を発生させる社会的原因を根絶するため、ここに全国的大運動を展開して、左の事項を強力に実施するものとする。

まあ妥当な内容です。ぜひ頑張っていただきたい。

一、浮浪児の背後にあつてこれを利用している者を厳重に取締り、これらの者と浮浪児との因縁関係を切断すること。

要はヤクザ組織とかのことでしょうか。確かに子どもが靴磨きなどで搾取されたり、さらには窃盗団まがいのことをさせられるのは大問題です。これは「切断」も已む無しでしょう。もっとも、そもそも浮浪児≒戦災孤児を大量に生み出したのは誰だ。曲がりなりにも、終戦後3年間の間、浮浪児たちを生存させてきたのは国ではなく、彼ら暴力組織だったということを認識してるのか、という疑問は残ります。

二、浮浪児を根絶できない大なる理由が、人々が浮浪児に対して安価な同情により又は自己の一時的便宜によつて彼等の浮浪生活を可能ならしめていることにあることを、一般社会人に深く認識せしめること。

安価な同情……。スゴイな。これって、つまり「浮浪児に金を恵んだり、靴磨きをさせたりするから、あいつらが付け上がるのだ」って意味ですよね。今でいうなら、安価な同情でアグネスなユニ○フに金を渡してはならぬ、って言っているようなもん? いずれにしろ今の政府に、こんな言葉を使える豪傑はいませんね。

三、浮浪児に対する保護取締を連続反覆して徹底的に行うこと。

出た。これは浮浪児狩り、別名刈り込みってヤツですね。幌付きトラックでやってきたお巡りさんが、子どもたちを根こそぎにさらっていくという、ほとんど戦国時代な光景が展開してたそうですよ。それにしても、「連続反覆して徹底的に」という部分に只ならぬ意気込みを感じます。

四、特に犯罪性のある浮浪児は少年審判所に送致し、その他の浮浪児は児童相談所を経て養護施設又は教護院に収容するか或は児童福祉司、児童委員等の指導に附すること。

刈り込みしたら、あとは分別して処分ですか。

五、収容施設は浮浪児の浮浪性除去に適した自然環境を備えるもの(例えば農場、牧場その他島嶼等)を選び、当該施設においては愛情を以てこれを迎え、食糧等について充分留意するとともに、浮浪児の生活に適した遊び、運動、職業指導等を通じて、浮浪児の施設内の生活に対する興味を喚起するよう努めること。

この閣議決定で、一番驚いたのはココ。「例えば農場、牧場その他島嶼等」って、つまりコルホーズ送りか、または島流しってことでしょうか。「浮浪児の生活に適した遊び、運動、職業指導等」と言いながら、実態は「職業指導の名目で一日中強制労働」させられそうな雰囲気がビンビン伝わってくるんですけど。

六、逃走性強く、これを収容施設に定着させることが不可能な浮浪児に対しては、医学的、心理学的、社会学的判断を基礎とした科学的方法によりこれが浮浪性除去に努めること。
 その際一定の期間適切な方法によりその生活の場所を制限することもやむをえないこと。


ははあ、医学的っていうと、ロボトミーでもやっちゃいますか。あと「一定の期間適切な方法によりその生活の場所を制限」とか微妙な書き方が、すごく気になります。つまり、少年院にでもぶち込めってコト?

七、現存の施設の中には、その内容が浮浪児保護につき不十分なものがあるから、できる限りすみやかにその内容を整備するとともに、必要な収容施設の拡張を図ること。

これも「整備」ではなく、「収容施設の拡張」が主眼と見ました。うーん怖いよお。

八、新たに浮浪児を発生させぬよう少年不良化防止の運動を展開し、特にこれに対する各家庭の自覚と協力を求めること。

はい、この一文で分かります。浮浪児=不良なんですね。浮浪児≒戦災孤児という考え方が、もし少しでもあるなら、「大人のやった戦争で、君たちのお父さんお母さんが死んでしまったのは、おじさんたちの責任だ。だから、これからは辛い思いをしないですむようにしてあげるからね」という発想になるはずです。でも、そんな気配はまるでゼロ。

九、本要綱の実施推進については、中央、地方を通じ、厚生、警察、法務、文部、労働その他の関係諸機関が夫々緊密な連絡をとり相協力してこれにあたることとし、そのために、中央児童福祉委員会及び地方児童福祉委員会に特別部会を設けること。

はい、そうですか。

(註)本要綱にいう浮浪児とは、一定の住所がなく諸所を浮浪する児童は勿論のこと、就学義務があるにかかわらず学絞に登校しないで諸所を浮浪する児童をも含めたものであること。

この注釈もスゴイ。完璧に憲法を読み違えているのか、意図的に読み変えています。「就学義務があるにかかわらず学絞に登校しないで諸所を浮浪する児童」って。憲法の26条二項には「国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務」があると言っています。つまり、簡単に言うと、親には子供を学校に行かせる義務(就学義務)があるということ。親に義務があるんで、子供が義務を負っているわけじゃありませんよ。

全体的にこの閣議決定を読んで感じるのは、「兵役の義務」感覚で、浮浪児をコルホーズ送り、もしくは島流しにせよ、っていうイケイケな雰囲気。なんていうか、愛がないよなあ。

http://www.ndl.go.jp/horei_jp/kakugi/txt/txt00919.htm

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